山九が育む人材 Learning

機工マスターコース

山九が誇る研修プログラム「機工マスターコース」では世界で活躍する一流のエンジニアを育成します。

2007年から始まる、団塊の世代のプラント・エンジニア大量定年を控え、大卒技術系社員の早期育成が事業運営上において喫緊の課題。平成16年4月から、これまでの各事業部別育成方法から全社統一した技術系大卒新入社員研修(「機工マスターコース」と命名)を立ち上げた。翌年から関連会社社員も参加し、山九グループの新入社員技術者育成プログラムとして定着してきた。これまで「機工マスターコース」を終了した社員数は、山九グループ全体で400名を超え、現場第一線で活躍しています。


研修内容

1年間の集合研修、2年目からの現場での実務研修。十分な時間をかけ、プロフェッショナルを育んでいます。

新入社員が一人前ののプラント・エンジニアになるまで我々は、約10年と考えております。その間の様々な研修や資格取得の奨励、OJT研修さらには異動時期までを網羅しております。「機工マスターコース」は、その入り口となります。

1年間の集合研修、2年目からの現場での実務研修。
十分な時間をかけ、プロフェッショナルを育んでいます。

5~8月 座学研修

  • 設計課題演習
  • 油圧技術演習
  • 各種測定機器取扱い
  • 電気・ガス溶接実習
  • 低電圧・自由研削砥石取扱い
  • マイクロドーリー実習など

座学研修ではとくに「設計」に力を入れ、多くの設計課題から、個人ワークやグループワーク等を通じ実践レベルの技術習得を目指します

9~10月 実技研修

  • 設計課題演習
  • 油圧技術演習
  • 各種測定機器取扱い
  • 電気・ガス溶接実習
  • 低電圧・自由研削砥石取扱い
  • マイクロドーリー実習など

機工マスターコースには実技研修も組み込まれています。実機による油圧技術研修、ガス切断、電気溶接、足場組立、さらに当社で技術開発しました「マイクロドーリー」の操作など現場配属になって、即活用できる資格や技能も修得させます。

11~2月 現場研修

  • 製鉄所
  • 石油化学工場
  • 原子力発電所
  • 自動車工場
  • 焼却炉建設工事現場
  • 橋梁工事現場
  • 食品(ビール)工場
  • 衛生機器工場

現場実習は、プラント建設・工事の現場、鉄鋼、石油・石油化学の現場の3業種の現場を各グループに分かれ一箇所1ヵ月半のペースで全員が体験。
プラント工事の業務過程、製鉄プロセス、大型動機器の整備技術や石油化学プラントにおける保全の施行管理、などを学びます。


プロの技術・知識が一から身につく機工マスターコース

木下 賢人

プラント・エンジニアリング事業本部 プラント工事部
(2011年入社/近畿大学理工学部機械工学科 卒業)

現場研修と座学研修、両面から業務を学ぶ

山九の新入社員は、長崎県の「平戸錬成館」で行われる約3週間の研修に参加した後、技術系のみ「機工マスターコース」という3年間の能力開発プログラムに進みます。1年間の集合研修と各拠点に配属されてから2年間の実務研修が実施されるのですが、特に集合研修のカリキュラムは充実しています。
内容は「鉄」「プラント」「化学」に関わる施設での各1か月半ほどの現場研修と、座学研修。まず始めに「鉄」を扱う施設での現場研修があり、6月の中旬ぐらいから10月にかけて座学研修が行われます。その後「化学」「プラント」、いずれかの施設へ2度目の現場研修へ。これは2年目以降の配属希望に沿った現場へ行くのが原則です。そして最後に残り1つの現場へ向かうというのが大まかな流れになっています。

2度目の現場で得た、確かな手応えと今後の課題

私の場合、2度目の現場研修は「プラント」。プラント工事部東日本工事事業所に所属して、茨城県鹿島市の現場へ赴きました。東日本大震災の約半年後で、地震によるダメージを考慮した設備の増設工事が業務内容でした。その時は、上司からの指示で監督者として現場に立つことになったのですが、座学で学んだ知識を活かせたり、これから身につけるべき能力に気づけたり…いずれにせよ、非常に良い経験になりました。1年目の社員が現場を監督しているため「そんなことを言う権利があるのか」という話が出たりもして、コミュニケーション能力の重要性を痛感しましたね。

同期と築いた信頼関係も、大きな財産に

私の場合は機械工学科出身ですから、現場で使う知識は一通り学んでいるつもりでしたが、抜け落ちている部分もありました。理系の社員といっても化学系の人間もいれば生物系の人間もいるので、座学研修で力学の計算などの基礎的な知識を一から学べるのは、非常に有益なのではないでしょうか。また、同期と1年間を過ごすことによって、それぞれの特性が分かるようになり、その後の仕事で一緒になる際もスムーズに意思疎通が図れています。当然、絆も深まりましたね。たくさんの同期と、ともに学び、ともに成長していける。これも機工マスターコースの魅力だと思います。