社会/society

従業員とともに

手を繋ぎながら歩く4人の家族の後ろ姿
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人財に対する考え方

当社グループでは社員のことを人材ではなく「人財」と表します。創業以来「人を大切にする」という経営理念を脈々と受け継ぎ、社員が持つ力を磨き上げ育成してきました。当社がお客様に提供する価値は鍛え上げられた社員一人ひとりから生み出されます。だからこそ、その価値を生み出す社員を「人財」と表します。

人権尊重

当社グループはあらゆる事業活動において人権を尊重することを責務と認識しています。行動規範において文化・宗教・価値観の違いを正しく認識し、コンプライアンス基本方針において「差別・ハラスメントのない公正で明るい職場風土を作るとともに、健全な職場環境の保護に努める」と定め、一切の差別を禁止し、ハラスメント防止宣言を掲げて活動しています。
人権尊重の取り組みとしては階層別研修において人権をテーマに組み入れて推進しています。加えて12月の人権週間の期間では人権標語や作文コンクールを実施するなど当社グループにおける人権に対する意識醸成を図っています。
ハラスメントに関する取り組みとして定期的な周知活動を実施し、発生した場合は社内外に設けた相談窓口において適切に対応をしています。
また、グループ内に限らずサプライチェーンおよびビジネス上で関わる全ての人権侵害に関し、リスク管理と適切な対応を行うことで人権尊重への取り組みを進めていきます。


山九グループ人権方針(pdf)

ダイバーシティ

当社グループは人が財産であり、持続的な発展をするために多様な人財の多彩な活躍が重要と考えます。性別、年齢、文化、宗教、価値観など異なるバックグラウンドや能力を持つ社員が活躍できる環境を構築し、多様性を尊重し受け入れる企業風土の醸成を進めていきます。

女性が活躍する職場づくり

女性の活躍推進は取り組まなければならない課題の一つと捉えています。女性が活き活きと働けることが企業の力を高めるだけでなく、お客様をはじめとする社会の多様なニーズに応えることにもつながると考えています。2014年に「なでしこプロジェクト」を立ち上げて以降様々な施策を展開しており、2030年度の女性管理職比率11%を目標とし、管理職候補者へのキャリアデザイン研修等を企画して女性社員の活躍を促進していきます。
また、ダイバーシティ研修の実施に加え、女性社員が活躍できる職場風土を作るため、上司の意識・言動改革と女性社員自身の意識を変えることの両面からアプローチしています。女性技能系社員については数年前より活躍推進の取り組みを開始し、部支店での雇用事例の水平展開、職場環境の整備等に取り組んでいます。

シニア世代の活躍

2021年に定年を60歳から65歳に延長し、シニア世代の活躍を積極的に推進しています。当社の強みである「技能・技術力」においての重要な人的資本であり、次世代への技能・技術力の伝承・担保も図っています。

障がい者雇用の推進

障がい者の雇用機会を積極的に創出し社会的自立を支援していくことを目的に、2007年に特例子会社として株式会社サンキュウ・ウィズを設立。障がい者雇用を積極的に推進しています。
事業所は本社営業所、PC事業部、北九州営業所、平戸営業所からなり、当社グループで使用するPCのキッティングやデータ消去作業、ドキュメントの電子化や本社ビル・九州ビルでのカフェ運営、清掃、メール便集配など多岐にわたる業務を担っています。
また、朝礼や勉強会等を通じて一人ひとりが活き活きと働けるように育成を行うと共に精神保健福祉士の有資格者を配置して社内の相談体制を充実させています。

働きがいのある職場づくり

ワークライフバランス

ワークライフバランスおよび健康増進を目的として2017年に長時間労働改善委員会を発足し長時間労働の削減を図っています。業務効率化に取り組む一方で、全社員共通の出退勤システムを利用した時間管理や勤務間インターバル制度の導入、年次有給休暇の取得率向上等にも取り組みながら社員の労働負荷削減に努めています。

直近2年での制度変更

  • 65歳定年制の導入(2021年4月)
  • 65歳以降の再雇用制度の導入(2021年4月)
  • 年間所定労働時間の見直し(2021年度・2022年度)
  • 初任給水準・賃金水準の見直し(2022年度・2023年度)
  • 年次有給休暇付与日数の見直し(2023年度)
  • 生活支援一時金の支給(2023年4月)

社員コミュニケーションとエンゲージメント向上

社員がそれぞれの特性と能力を最大限発揮するには働きがいを持てる職場環境を整備することが重要です。そのため下記のような対話活動を通して働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。
また、社員の多様化する価値観を理解しニーズに対応するため重要なエンゲージメント項目を整理し、エンゲージメントレベルを把握する取り組みを2023年度から実施する予定です。

本社で行う労働組合との対話活動実績(2022年度:単体)

本社で行う労働組合との対話活動実績の表

社員との対話活動実績(2022年度:単体)

社員との対話活動実績の表

社員イベント

2022年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により社員イベントの開催を自粛しました。例年であれば、本社および各エリアでフットサル大会やスポンサーとなっている女子ラグビーチーム「東京山九フェニックス」の応援観戦、支店別のレクリエーションなどで社員同士のコミュニケーションの活性化を図っています。

人財育成

山九グループの人財育成方針

当社グループの競争力の源泉は「人財」です。その考えのもと、全社員が企業理念を認識し、その具現化に向けてそれぞれの特性と能力を発揮して当社グループの価値創造を最大化すること、並びに社会人として自己実現をさせることに取り組んでいます。

人財育成体系

業務に必要な技能・技術力の習得だけでなく、一人ひとりの能力を最大限に発揮するために教育体系に基づく研修および自律的なキャリア構築を支援する制度を導入しています。
また、多様な人財が活躍できる土壌を整備するために、階層別研修の上級管理者研修・管理者研修・係長研修においては多様性への理解を促す「労務管理と多様性」講座を実施し、選抜型研修においては女性社員のキャリア形成支援を目的としたダイバーシティ研修を実施しています。

人財育成体系の図
*階層別研修、技術・技能研修、各公開講座は関係会社社員も受講しています。

グローバル人財育成の各種研修制度

海外でも日本と同様に「いつでも、どこでも、山九品質」を実践するには海外の現地採用社員を含めた育成が必要です。
グローバルで活躍できる人財集団の拡大に向けて語学力の底上げだけでなく、グローバルで活躍する上で求められる「リーダーシップ、アサーション能力、グローバルマインド」についてもレベルアップを図っています。
各種研修制度には人事部主催の国内外での語学留学、事業本部主催の海外OJT研修、現地採用社員マネジメント研修等を設けています。

事業ごとの専門的スキル習得

当社グループ社員を対象とした教育体系に加え、各事業で求められるより専門的なスキルを習得するために若手社員向けの教育体系も構築しています。

ロジスティクス・ソリューション事業本部

入社1年目は「LSビジネススクール」と呼ばれる教育を2カ月間実施し、物流事業に係る法律知識習得、貿易実務検定や通関士の資格取得支援、および英語教育、IE研修等を行っています。2~3年目は業務および職場改善の取り組み発表に加え、レジリエンス・アサーション等のマインド研修を実施し基礎的な能力の習得を図り、3年目終了時に最初の配置転換を行います。専門能力醸成期間である4~6年目は個別指導を行い、6年目終了時に再度配置転換を実施します。

プラント・エンジニアリング事業本部

入社1年目社員を機工マスターコース研修生と呼び、1年間にわたって座学中心の研修を行います。機工事業に必要な基礎的な技術・知識だけでなく専門研修を実施して、あらゆる現場で求められる職務遂行能力の習得を図ります。入社2年目に各部支店に配属後も能力向上を狙いとした集合研修を実施しています。また、メンテナンスセンターなどで各種技術・技能研修やプラントの実習機材を用いた研修を実施して更なる能力向上に努めています。

ビジネス・ソリューション事業本部

化学系事業に配属の入社1年目社員は「化学ビジネススクール」と呼ばれる研修を受け専門的な教育体系のもとで計画的に教育を行います。鉄鋼系事業に配属の社員にはプラント・エンジニアリング事業本部の機工マスターコース研修に参加させ専門スキルの習得を行います。また、両事業部ともに専門性を高めるための海外研修や海外案件の支援業務にも従事させ、入社3年目以降に定期的な配置転換を通じて幅広い視野を身につけさせて専門性を強化します。

研修施設の充実

当社グループは人財育成に最も重点を置くため、国内外に研修施設を有して教育の充実を図っています。長期にわたる階層別研修および技能研修の計画的な実施を通じて技能・技術力を習得するだけではなく徳育教育も行っています。
2022年に海外初となる人財育成センター「山九テクニカルアカデミー」を設立し、現地採用社員を対象に年間延べ3,000人規模で研修を実施。世界で活躍できる技能・技術集団の育成に取り組んでいます。

研修施設の紹介

  • 山九平戸錬成館

    山九平戸錬成館

    1968年、創業50周年を記念して創業者の生誕地である長崎県平戸市に設立。当社グループ社員を対象とする階層別研修を実施し、豊かな人間性を持つ仕事のプロ育成に成果をあげています。(2022年度研修受講延べ5,662名)

  • 東日本・西日本能力開発センター

    東日本・西日本能力開発センター

    1977年千葉県君津市、1966年福岡県北九州市に設立。機工事業において必要となる仕上、製缶、溶接等の技術を中心に実技・座学研修を行い、熟練した高技能集団の育成並びにハイテク技術に対応できる先進的技術者の育成を目指しています。(2022年度研修受講延べ16,700名)

  • 山九メンテナンスセンター

    山九メンテナンスセンター

    2011年千葉県市原市に設立。当社に欠かせないメンテナンスの技能育成拠点として座学と実機を用いた体感・実技研修を行っています。さらなるサービスの高度化を狙い、海外の人財育成センターと連携してグローバルに活躍する技能集団の輩出を目指しています。(2022年度研修受講延べ1,236名)

マレーシアで海外初となる人財育成センター「山九テクニカルアカデミー」を開設

2022年、マレーシアのジョホール州に設置。急激に高度化している技術への対応に向けて各国の現地採用社員を対象に溶接や機械加工、計測などの技能研修から安全・品質に関する教育や階層別研修、競技大会などを実施して世界で活躍できる人財を育成しています。またアジアにおけるリクルート拠点として位置づけ、採用から教育、技能訓練までを一貫して対応しています。本施設で研修を受けた社員が東南アジアや中東、そして将来的には日本の事業も担い、それぞれの地域の持続的な発展に貢献することを目指しています。(2022年度研修受講延べ552名)

マレーシアにある研修施設

労働安全衛生

安全への基本的な考え方

当社グループは常に人を大切にする会社であることを目指しています。その根幹となるのは当社の事業に関わる全ての人とその家族が一人でも多く幸せを感じることであり、「安全」はそのための最優先されるべき条件であると考えています。
安全衛生方針に示すように私達の職場には「そもそも安全な状態は存在せず、常に存在するのは危険な状態である」という認識の下で常に問題意識を持ち続け、山九グループのみならず協力会社全員が一丸となって危険な状態を排除する知恵や工夫を現場に反映させることが重要だと考えています。また、そのような安全活動、管理ができる人財を育て安全文化を継承することで真に「人を大切にする」組織を作っていきます。
海外に展開している事業も含めグループ全体としての安全管理をさらに深化させていきます。

安全衛生方針

山九労働安全衛生マネジメントシステム(SSMS)

1971年に制定した安全管理規程に全社安全衛生管理体制を定めてグループ一丸となって活動に取り組んでいます。厚生労働省の指針(OSHMS*1)をベースとした「山九労働安全衛生マネジメントシステム」(Sankyu occupational Safety and Health Management System)を策定し2003年から導入しています。
従来の活動に加え組織的な安全管理活動を構築し、安全衛生管理3か年計画を策定し目標達成に向けて取り組んでいます。

*1 Occupational Safety and Health Management Systemの略。

全社安全衛生管理体制基本組織図

全社安全衛生管理体制基本組織図

第13次 安全衛生3か年計画
(2024~2026年)

【基本方針】

安全基本行動5原則の遵守により重大災害と重篤な休業災害を撲滅する

【目標】

重大災害:ゼロ

【目標値】

5原則違反による重篤災害:ゼロ
5原則違反撲滅による目標度数率:0.3

【重点実施事項】

1.安全基本行動5原則(+1)の遵守
2.リスクアセスメントによる本質安全化対策の推進
3.従業員の健康づくりの推進
4.労働災害発生時の適正な対処

※1 目標・目標値には国内協力会社被災分を含む ※2 重点実施事項は協力会社と協働で取り組む

安全基本行動5原則(+1)

  • 1.高所でのフルハーネスの完全使用
  • 2.開口部は速やかに塞ぐ
  • 3.稼働設備内へ立入時の動力源遮断
  • 4.回転体には手を出すな
  • 5.吊り荷の下に入るな・近寄るな
  • +1.上記を確認するための指差呼称の徹底

参考:お取引先様とともに > 取引先とのコミュニケーション > 協力会社会

安全衛生教育

法律および当社で定めた安全衛生教育実施基準により、階層別安全教育や安全管理能力向上に資する各種教育を年間計画に沿って実施しています。

安全衛生教育体系図

安全衛生教育の図
*上記の他、人財育成方針に記載した階層別研修の全階層にて「安全衛生管理」に関する講座を実施しています。

社会環境変化に対応した
労働災害防止に向けた取り組み

安全を取り巻く様々な社会環境の変化に対応するため、類似災害防止活動を柱とした日常の安諸活動に加え、IoT、DXやAIなどの先端技術を有効活用した本質安全化対策を展開中です。作業者自身の行動変化だけではなく危険の源そのものをなくすといった本質的に安全な環境を構築する取り組みを推進しています。

安全衛生教育体系図

安全衛生教育体系図
(注)上記の他、人財育成方針に記載した階層別研修の全階層にて「安全衛生管理」に関する講座を実施しています。
  • AIによる墜落・転落防止システムの開発

    AI搭載のエッジカメラ、エッジコンピュータを現場に導入し、足場のような高所で作業する作業者(人)を検知し、その作業者がフルハーネス型墜落制止用器具を適切に使用しているか(フックを掛けているか否か)をカメラ映像からAIが判断し、適切に使用していない場合には管理者に通報されるシステムを開発し、現場で試行中です。

  • フォークリフトと人(物)との接触防止策

    これまでは人と車の作業領域の分離に加え、フォークリフトへのライト取り付けによる作業者に対する注意喚起、作業者が保持するタグを検知してフォークリフトオペレーターに対する注意喚起といった対策を講じてきましたが、人が光・音に順応してしまう問題がありました。そのため、さらなる対策として「人(物)を検知したら、フォークリフトの動力源(バッテリー)を管制して速度を低下させる」といった技術の導入準備を進めています。

  • VRを用いた安全教育の推進

    作業者一人ひとりの行動変化につながる安全教育手法の一つとしてVRを活用しています。導入にあたり「新技術の功罪」、「教育への応用要領」、「システムの実用性」、「効果的な教材開発」について研究を重ね教材を作成しています。教材では労働災害の型に焦点を当て、過去の労働災害をベースにシナリオを構成し、受講者が指導事項を実践する必要性をしっかり受け止めることを狙いとしています。また全ての教材は「体感シーン」、「客観シーン」、「教訓」の三部構成で危険感性と守るべき規則を理解し共有できる内容としています。現在30の部支店に展開しており、工事現場での入構教育や類災防止教育などに活用され安全意識向上に寄与しています。

労働災害の発生状況

度数率

度数率のグラフ

強度率

強度率のグラフ

従業員の健康推進

当社グループ従業員の心と体の健康増進を図るために健康保険組合と連携した支援を行い、グループ全体で健康管理の仕組みづくりに取り組んでいます。
心の健康については毎年ストレスチェックを行い、その結果を受けて改善活動を実施しています。2022年からは高ストレス者比率が高かった部署の全員に対し外部機関による個人面談を行い、その部署の管理者にワークショップを行うことで健康リスクの低減に取り組んでいます。体の健康については健康診断受診を必須とし、有所見者に対しては上司が再検査受診を促すフォローアップを行っています。また、健康に関して無料相談ができる「山九・心と体の健康相談24」を設置して24時間の電話受付とカウンセリング受診が可能な仕組みを整備しています。