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街の安全を支える「見えない力!」
日本工業検査の若き技術者が語る、非破壊検査の魅力と未来

日本工業検査 笹野 国光

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皆さんが毎日見上げる高層ビルや、通勤・通学で利用する駅の新しい施設。

その壮大な建築物の裏側には、私たちの安全を守る「見えない力」が存在することをご存知でしょうか?

今回ご紹介するのは、山九グループの日本工業検査で、街の安全を最前線で支える若き技術者、笹野さん。

巨大な構造物の骨組みを検査し、未来の街づくりを支えるその仕事には、どんなやりがいや挑戦があるのでしょうか。

街の安全を守る、知られざるヒーローの仕事

笹野さんが所属する建築検査部は、身近にあるビルや商業施設などの建築現場で、鉄骨の溶接部や鉄筋の継手が適切に接合されているかを検査するプロフェッショナル集団である。

彼らの主な仕事は、建物の骨組みとなる部分に「超音波」を当てて内部に隙間や欠陥がないかを調べることだ。

まるで人間ドックのように建物の見えない部分を詳細にチェックし、安全性を確保している。

鉄筋継手UT写真_rev.jpg街中で工事現場の囲いを見かけることがあると思うが、その内部では鉄骨同士の溶接部や鉄筋の継手に対し、外観検査と超音波検査が行われている。

一見きれいに見える溶接でも、内部に欠陥があれば建物の強度は低下してしまう。


そこで超音波探傷試験(UT)という技術を用い、反射信号を読み取って溶接金属が隙間なく埋まっているかを確認するのである。

日本工業検査がこれまで携わってきたプロジェクトは、大井町や品川駅周辺の再開発ビルから、東京スカイツリーのようなランドマークまで多岐にわたる。

地震の多い日本では、建物の構造的安全性を確保する非破壊検査の重要性は非常に高い。

もし検査で欠陥を見逃せば、最悪の場合は建物の倒壊につながる可能性すらある。

笹野さんらは「皆さんの安全は、我々が守ります」と強い使命感を持って日々検査に臨んでいる。

理系の知識を現場で活かす!成長を実感できるキャリアパス

笹野さんが非破壊検査の道を選んだ理由は、理系で学んだ知識を"現場で生かしたい"という思いからである。

大学では物理や光学、材料などを専攻していたが、「研究職よりも手を動かして社会に貢献する仕事がしたい」と考え、日本工業検査に入社した。

選んだ決め手は同業他社からの評判の高さ、そして地元が本社のある川崎に近かったことだという。

入社2年目から現所属の建築検査部に配属された。現場経験を積む中で、笹野さんが強く成長を実感しているのは社内外とのコミュニケーションである。
検査で不合格が見つかった際、ゼネコンや施工業者へその事実を伝え、納得してもらうのは容易ではない。

ダメなものはダメと明確に伝える一方で、相手に理解してもらうための説明力・交渉力が求められる。

検査にはグラデーションがあり、怪しいものから明確に不合格なものまで幅広い。

迷いをそのまま伝えると相手も判断に困り、説得力も弱まる。そのため笹野さんは「ハッキリとジャッジし、迷わせないよう伝える」ことを常に意識している。

上司に相談しながら判断する場面もあるが、そうした経験の一つひとつが彼を一人前の技術者へと成長させている。

pic_program07.jpg日本工業検査では技術者の成長を後押しする体制が整っている。

非破壊検査技術者に必須の民間資格の取得費用(受験料・交通費など)は会社が全額負担。さらに実技試験の練習ができる社内講習も充実し、専門講師から直接の指導を受けられる。



笹野さんはすでに約10個の資格を保有し、現在は超音波探傷試験(UT)の上位資格であるレベル3の取得を目指している。

資格取得はスキルアップだけでなく担当業務の幅も広がり、キャリアアップに直結する重要なステップである。

完成した建物に感じる誇り。未来を築くやりがい。

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笹野さんが最もやりがいを感じる瞬間は、自ら検査に携わった建物が完成し、その姿を目にしたときだという。

自分が関わった構造物が巨大な建物として形になる達成感は、何物にも代え難い。

外装や仕上げで骨組みが見えなくなっても、「あのビルの5階あたりでこんなことがあった」と当時の記憶が蘇るという。

もちろん、悔しい経験もある。

過去の現場で、特殊な状況下で「合格」と判断した検査結果の報告方法が適切ではなく、設計監理から指摘を受けたことがあった。最終的には上司の助けで対応したが、この経験から笹野さんは「どんな状況でも報告・連絡・相談を密に行うべきだった」と深く反省したという。

こうした失敗から学び、次に生かす姿勢こそが彼の成長の原動力になっている。

今後の目標は、向こう3年で重要な資格をすべて取得し、現場での業務をさらに磨くこと。その先には管理業務や業務改善にも携わり、組織全体の成長に貢献したいと語る。

若手が少ない今だからこそ、一人ひとりが多様なスキルを身につけ会社を支えていく必要性を強く感じている。

非破壊検査の仕事は派手ではない。

しかし、その一つひとつの検査が私たちの安全を守り、未来の安心をつくっている。

笹野さんのように学生時代の知識を生かし、現場で汗を流しながら確かな技術と強い使命感で社会に貢献する。

そんな「見えない力」で暮らしを守る仕事に挑戦したい人にとって、日本工業検査は未来への扉を開く場所である。