環境/environment
生物多様性の保全と回復
私たちの事業活動は自然環境からの恵みによって成り立つことを認識し、自然環境に与える影響を最小限に抑えることは、社会的責任であると考え、事業活動と生物多様性との関係性の把握に取り組んでおります。
1.自然資本への依存・影響・リスク・機会の認識
自然資本への依存と影響の分析
当社の2大事業である物流事業と機工事業に分けて、自然資本への依存と影響の分析を行いました。LEAPアプローチ手法を基に、ENCOREツールを活用してヒートマップを作成した上で当社の事業別の特性を加味し、自然に対する潜在的な依存・影響度合いを把握しました。
バリューチェーン全体でみると、下流側(お客様側)における依存・影響度が比較的高いことが分かりました。当社は、お客様の工場構内で作業を行っている職場も多く、お客様の依存・影響が当社の依存・影響の要素になることも分かりました。そのため、今後、お客様と一体となった対策を進めていく必要性を認識いたしました。
自然関連のリスクと機会を特定
当社の事業と自然資本への依存・影響の分析結果を踏まえ、自然関連のリスクと機会を特定し、対応策を検討しました。規制強化や社会的責任の重要性が高まる中、環境に優しい資材調達や汚染管理を徹底し、負の影響を最小化します。一方、自然環境に配慮したサービスの提供やモーダルシフトの推進により、新たなビジネスチャンスを得るとともに、生物多様性保全への積極的な貢献を目指していきます。これにより、社会的責任を果たし、優秀な人材の確保や取引先との信頼関係強化にもつなげていきます。
今後の方針として、当社は事業活動を通じて、取引先やパートナー企業と連携し、バリューチェーン全体で自然環境への負荷を低減します。そして、持続可能な社会の実現に向けた責任を果たしていきます。
2.取り組み
むかわ町森林
北海道勇払郡むかわ町に保有する森林において、いきもの調査を実施しました。この調査を通じて、希少種を含む多様な生物の存在が確認され、私たちの森が持つ自然の豊かさを再認識しています。今後は、これらの貴重ないきものや生態系を守るため、保全・モニタリング計画を策定し、持続可能な方法で自然を守っていく方針です。
また、環境省が推進する「自然共生サイト」への登録を目指しており、地域社会と共に生物多様性の保全に貢献していきたいと考えています。私たちは、これからも地域の自然環境と調和した企業活動を目指し、今後の取り組みを積極的に進めてまいります。
ノベルティ
むかわ町でのいきもの調査において、非常に珍しいアオバトの営巣が確認されました。そのアオバトをモチーフに、間伐材を使用しスマホスタンドを製作しました。社内外に向けた環境保全浸透活動に活用します。
CO₂削減量を表示の看板の設置
山九本社ビル、第二ビルでは再生可能エネルギー由来の電気を使用しており、それによりCO₂がどれだけ削減できたかを表示する看板を、山九ビル内に設置しています。この看板の木材はむかわ町の間伐材を使用しており、これにより環境への意識を高め、持続可能な社会の実現に向けた行動に繋げていくことを目指しています。
マングローブ植林
2024年8月から2025年2月にかけて、山九インドネシア国際株式会社はKEHATI財団、インドネシアの海洋保全財団、マングローブ林を管理する沿岸地域のコミュニティグループと協力し、マングローブ3,000本の植林を行いました。マングローブは海洋生物の生態系を保護し、沿岸地域を気候関連災害から守り、気候変動問題への解決策となり、周辺地域へ経済的利益をもたらします。2024年12月時点で植林した苗木の90%が順調に育っています。