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山九の物流コンサルタントが拓く、お客様との未来。

3PL企画営業部 瀬良 倫

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山九の3PL企画営業部を率いる瀬良は、長年の現場経験を武器に、お客様の物流課題に深く寄り添う物流コンサルタント。 港湾倉庫やトラック輸送の最前線で培った知識と実行力は、机上の空論ではない、お客様が納得する実現可能な解決策を生み出します。 現場を知り尽くした彼が、いかに信頼を築き、物流の未来を拓くのか。そのキャリアと、山九の物流コンサルティングの真髄に迫ります。

1.現場経験を武器に、物流のプロへ


「物流のプロフェッショナルとして、お客様の課題に寄り添う」

そう語るのは、3PL企画営業部の部長を務める瀬良(せら)だ。部門の長として管理業務に励む傍ら、自ら物流コンサルタントとして国内外の大小さまざまな案件に携わっている。

学生時代は経営学を学び、2000年に新卒で山九に入社した。

「当時は超就職氷河期で、決まればとにかくどこでも良いという時代でしたが、私は建設系や物流に絞って受けていました。山九に決めた理由は、営業一辺倒ではなく、現場に深く関わる仕事ができると感じたからです。産業を支えるモノづくりの一端を担えることにも魅力を感じましたし、親戚から山九という会社があるぞというアドバイスを受けたのもきっかけです。」

入社後は北九州市の支店に配属され、瀬良は港湾倉庫や内陸倉庫、危険物倉庫での管理業務を8年、その後はトラック輸送の運行管理業務を3年経験する。まだ長距離輸送が主流だった時代、子会社の運営やドライバー管理まで幅広く任された。現場に没頭する日々が続いていた彼が、物流コンサルタントという新たなステージに進むきっかけは、日頃の"本社との接点"にあった。

「現場時代から、新規案件の立ち上げなどで本社の方々にサポートいただく機会が多く、物流企画という仕事に憧れを持っていました。入社後11年目に声をかけてもらって、本社でのキャリアがスタートしました」


2.現場で鍛えた実行力と提案力


本社に異動してすぐ行けと言われのが、マレーシアの日系電機メーカーの工場構内の物流改善プロジェクト。同じ部署の同僚社員の手法を見よう見まねで物流診断のやり方を覚えた。

その後、プロジェクトがなんとか完了したのもつかの間、タイで同じ顧客の物流センターの立上げメンバーにアサインされた。当時はOJTのような準備期間はなく、先輩の背中を見て学ぶ日々だったという。

「物流診断では、一つひとつの工程を細かく分析し、時間や動作の無駄を見つけて効率化します。いわゆるIEIndustrial Engineering)の考え方が基本です。学生時代に少し学んではいましたが、実務では当時の上司から多くを学びました。
オランダ出張.jpeg調査は机上での分析・検討だけでなく、三現主義で、現場に行って、現物を見て、現在の状況を把握します。そして、これまで実際の物流現場で学んできた知識、経験と照らし合わせて、調査対象の問題点の仮説を立てます。その後、ストップウォッチと調査用紙を使用して作業生産性や稼働率、建屋内のレイアウト等を調査し、データ分析や製図した結果から改善施策を立案します。

当社の最大の強みは、その改善施策を提言するだけでなく、お客様と共に自ら具現化していく現場力と実行力にあると考えています。」

その後もさまざまな案件を経験し、特に印象に残っているのが「某電子部品メーカーのプロジェクト」だ。

「半年間、お客様の本社に常駐して物流センターを立ち上げるための計画をお客様とともに協議、立案しました。150名規模のオペレーションで、当時としては最先端のシステムも導入するなど、お客様としても山九としても挑戦的な案件でした。まさに、今の自分の原点の一つだと感じています」

それらの功績が評価され、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)に特化した企画営業にも従事。日本を代表するような大手顧客とのプロジェクトを次々に立ち上げながら、独自の提案力とプロジェクト推進力を磨いていった。

3."信頼"で選ばれる物流コンサルタントへ


「当社の物流コンサルティングは、お客様にとっての"気づき"を提供し、物流のプロの目線から改善施策を提案し、その実行を当社にお任せいただくことで事業を拡大していく役割で、営業活動の一環です。
サプライチェーンの最適化検討、ITや自動化/省力化設備の導入、倉庫・工場構内の現場改善や事務業務の効率化なども、全てサービスの一部として組み込まれています」

物流の世界は今、大きく変化し、コモディティ化が進み、価格競争も激化する一方だ。しかし山九には、IEQC(品質管理)、VE(価値分析)など、科学的・体系的なアプローチがある。

そしてなにより、自ら現場を持ち、オペレーションを理解している強みがある。

「私たちの提案は、現場を知らない理想論ではありません。実現可能で、確実に成果が見込める解決策です。現場を動かしている担当者が納得できる提案こそ、本当に価値のあるものだと思っています」
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もちろん、物流コンサルタントには不断の努力も求められる。最新技術の動向を把握し、物流法規の知識も備えなければならない。

資格や免許といった"裏付け"も重要な要素だという。
「経験やノウハウといった技能だけでなく、通関士や運行管理者といった物流技術に関連する資格があると、口で説明しなくても"わかっている人"という信頼につながります。言葉よりも、黙って伝わる説得力があるんです」

現在は60名以上の企画営業マンを率いる部長という立場になり、国内外の案件の陣頭指揮を執る。顧客との共感と信頼関係から生まれる「山九だからお願いしたい」というような案件獲得を目指すことが、目標の一つだ。

5年、10年かけて信頼関係を築くことで、ようやく芽が出る案件もあります。派手ではないですが、地道な努力の積み重ねが山九の物流コンサルタントの本質です」

現場の汗を知るプロフェッショナルが、専門的な分析手法を駆使して、現実に落とし込む解決策を描いていく。お客様に寄り添いながら、物流の未来を拓いていく。

それが、山九の物流コンサルタントという仕事である。

Column:休日の顔


休日は、地元のボーイスカウトで子どもたちの指導を続けている。活動歴は6年。加えて、地域のボランティアにも参加しており、仕事とは異なる人々との関わりが、良い気分転換になっているという。 

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