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Governance

社外取締役座談会

企業価値向上に向けた
ガバナンスの強化

当社社外取締役を務める3名に、
山九グループのガバナンスへの評価をはじめ、
価値創造に向けた提言や期待を伺いました。

  • 小川誠

    小川 誠

    1983年労働省(現:厚生労働省)入省。厚生労働省中央労働委員会事務局長、厚生労働省職業安定局長などを歴任し、2018年に同省を退官。2020年6月より当社社外取締役を務める。

  • 齋木尚子

    齋木 尚子

    1982年外務省入省。経済局長、国際法局長などを歴任し、2019年外務省を退官。2022年6月当社社外取締役就任。外務省参与、双日社外取締役、小松製作所社外取締役、日本政策投資銀行社外取締役を兼務。

  • 岡橋輝和

    岡橋 輝和

    1972年三井物産入社。カナダ三井物産社長、セイコーホールディングス顧問などを歴任し、2014年6月当社社外取締役就任。インフォマート社外取締役、マーキュリアホールディングス社外取締役を兼務。

ガバナンスへの評価

岡橋取締役: 私は2014年に初の社外取締役として就任しました。その後、徐々に社外取締役が増えていき、現在は女性の社外取締役も入り、陣容が充実してきました。

小川取締役: 私が就任した当時は、社内取締役が圧倒的マジョリティでしたが、その後、プライム市場やコーポレートガバナンス・コードへの対応に伴い、取締役会の役員構成を見直して、社外取締役の構成比30%以上の基準に達しました。また、2023年から指名委員会、報酬委員会が立ち上がり、いずれも社外取締役が委員長を務めるようになっています。社外取締役による監視機能は、ここ3年でずいぶん高まりましたね。

齋木取締役: 社外取締役に就任して一年余りですが、その間、山九がガバナンスの強化に向けて、大変なスピードで様々な改善を行ってきたことを高く評価しています。ご指摘の指名委員会や報酬委員会の設置に加え、スキル・マトリックスの作成・開示、リスクマネジメント委員会の設置、ESG管掌役員の指名等、ガバナンスの強化に向けた改革措置を行いました。ただし、この改革は緒に就いたばかりです。ガバナンスの一層の向上のためには、各改革措置を着実に実行していくことが求められます。いわば、魂を入れていくことが重要ですね。

岡橋取締役: 齋木さんの「魂を入れる」に共感しますね。また、山九の特徴として、今後海外事業を一つの柱としてさらに 成長させていくことがあります。これに対して、何がリスクであり何がチャンスかをしっかりと認識し、ガバナンスを効かせることが求められます。

取締役会の実効性について

齋木取締役: 1年間取締役会に参加し、非常にフレンドリーで発言しやすい雰囲気であると感じています。誰も怖い顔をしているような人はいません(笑)。取締役会の議論はもちろんですが、山九は事前説明会が大変丁寧で、議案に関して詳細にわたる説明があり、質問・意見を出しやすいですね。納得がいかないことに「これはどうしてこうなるのでしょうか」と問題提起すると、持ち帰り改めて審議してくれ、結果、方針が変更された事案もありました。執行決定のプロセスから、取締役会の実効性が担保されていると認識しています。

小川取締役: 確かに事前説明のやり方もここ3年でかなり変わりました。総務や経営企画の担当者だけでなく、各議案の担当部門の責任者が直接説明。そのため、非常にインタラクティブな議論ができています。ずいぶん活発に議論ができるので、長い時には、事前説明で3時間かかったこともありました。

岡橋取締役: 小川さんは労働問題のプロですし、齋木さんはフレンドリーでファミリアの部分を大事にしますが、外務省での経験を活かし課題をしっかり整理して適切に発言してくださる。取締役会の議論の内容は、非常にレベルアップしています。

齋木取締役: 他方、どういう議案を取締役会に上程するのか、という点については、議案を上げる基準の見直しも含めて、もう少し改善の余地があるように思います。例えば、一つひとつの案件だけでなく、より中長期的な戦略や方向性について取締役会の場でより時間をかけて説明を受け、意見交換を行う機会がさらに増えていくと良いと思います。

山九グループの戦略・方向性に対する評価

小川取締役: 昨年、山九が公表した「Vision2030」では、山九のあるべき姿を『「人・社会・環境への感謝」を事業で実現する人間力企業』と策定。そのあるべき姿の実現に向けた具体的な経営戦略である「長期経営戦略2030」や「中期経営計画2026」について、ともに議論をしました。

齋木取締役: 先般策定および公表された戦略・方向性については、私も議論に参加させていただきましたが、現場とのコミュニケーションもしっかり取りながら作成されたものであり、高く評価しています。「長期経営戦略2030」では、人間力企業を実現するために必要なことを3つの方針として打ち出しています。中でも3番目の柱の成長市場への挑戦では、カーボンニュートラルの世界に向けたグリーン成長戦略の強化や、海外(グローバル)展開の強化を謳っていますが、これらの点は特に重要と考えています。

岡橋取締役: 海外事業を伸ばしていく中では、これまで我々が経験していない新しい分野や地域への挑戦が増えていくでしょう。その時に、何がリスクになるか、ガバナンスとして何が必要かということをしっかりと見極めて、取締役会で多角的に議論していくことが重要になると考えます。また、多様性を尊重していくことも重要になりますね。

齋木取締役: 多様性と包摂性(D&I)については、すべての企業組織が真摯に取り組まなければならない課題です。ビジネスで利益を上げるという観点からも、また、少子高齢化が進む中で有為な人財を確保していくためにも、D&Iは極めて重要です。山九の現状では業務内容から歴史的に女性従業員が多くはありませんでした。ただ、今後ロボティクスやAIを活用した自働化などが進めば、女性も働く機会が増えていくでしょう。

小川取締役: 先日開催された「フォークリフト安全運転技能競技大会」では、女性が2位に入賞していましたね。また、山九の中長期の戦略・方向性における最大の課題は「人」。山九は定年を60歳から65歳に引き上げ、さらに70歳までの継続雇用を導入するなど高齢者の活用を推進しています。ただ、若い人財をいかに確保し定着させるかが課題です。福利厚生の充実や知名度の向上、コミュニケーションの充実による風通しのよい職場風土の醸成など、若年人財に選ばれるための職場環境の整備を幅広く丁寧にやっていくしかありません。

岡橋取締役: 「人」は確かに課題です。特に山九について言えば、単なる人財では現場が回りません。山九の「人財」として何が大切かと言えば、現場を預かる一人ひとりのモラルの高さが絶対に必要です。日本のみならず海外においてもモラルを体に染み込ませていくことが必要で、そうしなければ山九の「現場力」という根源的な力を発揮することができません。

小川取締役: その点、山九は「人を大切にすること」を経営理念とし、技能だけでなく、山九の「人財」として求められるモラルを含めた人間性を磨くことを目指しています。不断の熱意で人財育成に取り組んでいることを高く評価しています。

山九の社会的な価値・存在意義

岡橋取締役: 山九は現場の会社。お客様の一番難しい仕事を担い、お客様の現場を支えてきました。日本の産業を下支えする根幹企業が、山九。普段は目に触れる機会は少ないですが、社会にとって必要不可欠な存在です。そういう重要な任務を担っているプライドを持って、引き続き高いモラルで魂を入れて現場を担っていただきたいですね。現場の人財の高いモラルで100年超続いてきましたが、少しでも手を抜けば崩れるのは早い。社訓である自問自答をしながら、次の100年も続く会社であってほしいと願っています。

小川取締役: 山九の最大の価値は、やはり産業を支えていることでしょう。かつて私はメーカーのゲスト側として工場見学に訪れ、製品の製造工程を見てきましたが、山九の取締役となり、改めて製品の製造を裏側で支えている山九の存在意義を強く認識しています。ただ、それは一般的にはなかなか見えにくいものです。山九の存在意義や魅力を、もっと対外的に理解してもらえるような情報発信が必要だと思います。それは、課題である「人」の確保にも有効だと考えます。

齋木取締役: 山九は、ロジスティクス、プラントエンジニアリング、オペレーションサポートの3つのサービスを有機的に結び付けて展開する、大変ユニークなビジネスモデルを誇る会社です。日本の、そして世界の産業を下支えする重要な役割を担ってきていることを高く評価しています。お客様との関係性を深めながら、社業を通じて社会全体の発展を目指すという理念は、サステナビリティ経営と言う観点からも、その根幹を成すものです。私としては、山九の大きな価値・存在意義を確信しています。ただ、現状に甘んじていては価値を維持することはできません。内外の情勢が極めて早いスピードで変化する中では、産業構造や社会構造も大きく変化していきます。その中で、山九として自らの存在意義を常に見直しながら、新しいビジネスプラン、ビジネスモデルを構築していくことが求められます。それにより、ますます大きな社会的価値を提供できるのではないでしょうか。大きな可能性を秘めた山九に期待しています。