ガバナンス/governance
コーポレートガバナンス
基本的な考え方
当社は、ステークホルダーへの説明責任を果たすべく経営の透明性を確保するとともに、効率性を向上させることで企業として継続的な成長・発展を目指し、コーポレートガバナンスの強化を推進していきます。
コーポレートガバナンス体制図
※「その他各委員会」には、サステナビリティ委員会およびリスクマネジメント委員会等を含みます。
近年のコーポレートガバナンス強化のあゆみ
2015年
- コーポレートガバナンス・コードへの取り組み開示
2021年
- コンプライアンス統括部の新設
- 取締役会のスキル・マトリックスの開示
- 取締役人数の変更
(16名から9名に変更、内3名は社外取締役)
2022年
- プライム市場への移行
- 女性社外取締役1名就任
- 取締役会の実効性評価制度の導入
- 公益通報者保護法改正にともなう
内部通報制度の再整備
2023年
- 任意の指名委員会および報酬委員会の設置
- 東証「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する情報開示の開始
2024年
- 取締役の任期を2年から1年に変更
-
社外取締役の増員(4名から5名)に備え、取締役の報酬の額を改定
→年間総額12億円以内(うち社外取締役分は2億円以内)
2025年
- 役員報酬制度の見直し(譲渡制限付株式報酬制度の導入)
主なガバナンス体制と会議体
各会議体の構成員および執行役員は、2025年6月27日以降の人数です。
取締役会
議長:取締役会長
構成:社内取締役5名、社外取締役4名
開催:14回(2024年度)
取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するために月1回開催するほか、必要に応じて臨時に開催するものとし、重要事項の決定および取締役相互の業務執行状況の監督等を行うこととしています。また、経営方針および経営戦略等に関する重要事項については経営会議において議論し、その審議を経て取締役会が決定しています。
指名委員会
委員長:社外取締役
構成:社内取締役1名、社外取締役4名
開催:4回(2024年度)
取締役指名に関する方針等、経営幹部の選解任基準の適否、取締役会の構成(取締役に求められる資質・スキル・多様性等)、取締役の選解任、後継者計画等について審議しています。
報酬委員会
委員長:社外取締役
構成:社内取締役1名、社外取締役4名
開催:6回(2024年度)
報酬等の決定方針等の適否、個人別の報酬等について審議しています。
監査役会
議長:常勤監査役
構成:常勤監査役2名、社外監査役2名
開催:16回(2024年度)
取締役による業務執行状況の監督、監査役および監査役会による監査を軸に経営監視体制を構築しています。監査役会は原則として月1回開催するほか必要に応じて臨時に開催しています。
コンプライアンス委員会
開催:2回(2024年度)
国内外全ての法令、国際ルールおよびその精神を遵守するための委員会として設置しており、下部体制として各部門担当役員等を委員長とするコンプライアンスサブ委員会を設置し、コンプライアンスを推進しています。
サステナビリティ委員会
開催:3回(2024年度)
事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、企業と社会が共に持続的に発展していくことを目指すという基本方針を策定し、気候変動や人権などの社会課題解決への取り組みを推進しています。
リスクマネジメント委員会
開催:3回(2024年度)
経営におけるリスクの抽出・分析を行い、優先的に対策を打つべきリスクを特定し対策を実施することでリスクの最小化を図っています。また、上記活動に対しては経営(経営会議・取締役会)が管理・監督できる体制を整えています。
執行役員制度
人数:27名
監督と執行の分離を進め、取締役会による業務執行の監督機能強化および意思決定の迅速化を図るために執行役員制度を導入しています。取締役会の決定に基づく業務執行については「職責権限規程」、「業務分掌」においてそれぞれの責任者およびその責任、執行手続の詳細について定めています。
取締役会の構成
当社の取締役会は、現在、取締役9名で構成しています。その内、4名は独立社外取締役です。
取締役会
2024年度の取締役会では主に事業運営、開示情報、ガバナンスに関する事項を検討・審議の上で決定しました。また、これからの取締役会の在り方についても検討を進め、取締役会の監督機能の強化やさらなるコーポレートガバナンス向上のために取り組んでいます。なお、2024年度の取締役会の決議事項は46件、報告事項は69件でした。
スキルマトリックス
当社の取締役会および監査役会は、期待されるスキル(専門知識・経験)に加え、高い倫理観、公正さ、誠実さ等を備えた多様な役員にて構成されており、取締役の指名においては指名委員会にて必要となるスキルや構成について審議しています。
独立社外取締役の独立性判断基準
当社は会社法の定める社外役員の要件ならびに金融商品取引所が定める独立性基準に基づき、独立性判断基準を策定し、社外役員(社外取締役4名、社外監査役2名)の全てを独立社外役員として指定しています。なお、独立社外役員の選任にあたっては、経歴、人柄、能力、見識などから総合的に判断し、当社の持続的な成長と企業価値向上に寄与するという役割・責務を果たすことができる人物を、指名委員会または監査役会の審議を経て、独立社外役員の候補者として選定しています。
取締役会の実効性評価
当社の取締役会は、経営層としての在り方や目指すべき姿について検討するため、アンケート形式での実効性評価を実施しています。本アンケートは取締役会メンバー(取締役・監査役)全員を対象としており、その評価・分析を通じて課題を抽出し、当該課題について議論することで、取締役会のさらなる機能強化を図っています。
2023年度実効性評価での課題と2024年度の取り組み
2023年度実効性評価での課題点
2024年度実績
( 1 ) 取締役・監査役のトレーニング機会の提供等に
関する課題
新任役員や社外役員に対する現場視察や当社事業に関する研修会等に加え、企業価値向上に資する企業経営、資本市場対応、ガバナンスに関する研修等の機会を設け、取締役の任期に関する研修会、役員の株式報酬制度に関する勉強会(年度内3回実施)等を実施
( 2 ) リスクマネジメントに関する課題
2023年度に設置したリスクマネジメント委員会において、潜在リスクを含む全社的な重要リスクの特定とその影響の測定に改善の余地があるとの指摘を受け、潜在リスクマップの見直し等を実施し、リスクマネジメント体制に関する議論を行い、経営会議を経て取締役会へ報告
2024年度実効性評価
2024年度の実効性評価を実施するにあたり、これまでの評価手法が取締役会の実効性向上に資するものになっているかの観点で、外部機関によるレビューを受けました。その結果、当社固有の課題の特定・改善に向けたプロセスについて見直しの余地があったことから、改善を図りました。
- 評価対象:2024年1月から2025年1月までに開催された取締役会
- 評価者:取締役および監査役全員(2025年1月時点の15名)
- 実施期間:2025年2月から2025年4月
-
評価方法:以下の方法により、取締役会の実効性評価および取り組むべき課題を特定する。
- 「 満足度アンケート」による取締役会の現状調査
取締役会の実効性やガバナンスに対する全般的な満足度を、評価者自らの視点で定量的に評価するもの。 - ガバナンスの高度化に向けた意見聴取
昨年のアンケート結果や現在の経営環境等を踏まえ、ガバナンスの高度化に向けて評価者全員から意見を聴取するもの。
- 「 満足度アンケート」による取締役会の現状調査
- 評価項目:取締役会の構成、運営、体制、議題について
評価結果
総評
アンケートの回答を定量的に分析・評価した結果、全ての評価項目において、
取締役会の実効性は十分に確保されていると判断しました。
課題認識と今後の対応
- ① 議論、コミュニケーションに関する課題
経営理念や長期ビジョンの実現に向けた議論、役員間のさらなるコミュニケーションの活性化を図るための時間、機会を創出する。
- ② 取締役会で議論するテーマに関する課題
経営戦略、人材戦略、事業ポートフォリオ改革、将来を見据えた取締役会の在り方等、今後、議論を深めるべきテーマを特定の上、その議論を進める。
取締役・監査役候補者の指名を行うにあたっての方針と手続き
取締役および監査役の選任にあたっては、取締役は任意の指名委員会の審議を経て、監査役は監査役会の同意を得ています。経歴、人柄、能力、見識等から総合的に判断し、取締役または監査役として最も適任と認められる人物を選定し、株主総会に付議する取締役または監査役候補者として指名しています。なお、代表権の付与等に関する事項は取締役会にて十分に議論した上で決定しています。
役員報酬制度
基本方針
当社は取締役の報酬等の額の決定に関する基本方針を定めています。その内容は取締役の報酬等に関する社会的動向、当社の業績、従業員給与との衡平、その他報酬水準の決定に際し斟酌すべき事項を勘案の上、取締役の職責に応じて決定するものとしています。また、取締役(社外取締役を含む。以下、対象取締役)の報酬等は、当社グループの企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることができる報酬体系としています。なお、当該方針は独立社外取締役が過半数を占める任意の報酬委員会(以下、報酬委員会)にて審議の上、取締役会で決定しています。
決定方法
取締役の個人別の報酬等は、固定報酬である基本報酬と、短期インセンティブとしての業績連動型金銭報酬である賞与、中長期インセンティブとしての業績連動型非金銭報酬である株式報酬の3つで構成されています。基本報酬については、全ての取締役を支給対象とし、基本方針に基づいた報酬の額を月額で支給します。賞与については、社外取締役を除く取締役を支給対象とし、当社グループの当該事業年度の業績達成度と株価の連動を図るため、連結経常利益に相対株主総利益(相対TSR)と役職ごとの係数を乗じて算出したものを支給します。株式報酬については、対象取締役を支給対象とし、譲渡制限付株式を株主総会決議に基づき職責に応じて決定し、一定の時期に支給します。固定報酬及び短期インセンティブ報酬、中長期インセンティブ報酬との割合については、上記基本方針に基づきインセンティブとして有効に機能するよう、報酬委員会にて審議し、取締役会にて決定しています。
役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数 (2024年度)
役員のトレーニングについて
当社は新任社外役員に対し、就任時の事業説明や事業所視察等、当社事業への理解を深める機会を提供するほか、必要な知識等を習得する機会を提供しています。また、社内役員に対しては、社外有識者による講演会や各種セミナーへの参加をはじめとして必要な知識等を習得する機会を提供しています。なお、2024年度は下記の役員研修を実施し、必要な知識等を習得する機会を設けました。
2024年度実施の役員研修
2024年7月
- 「経営層の実践とリーダーシップが企業改革の鍵になる」 講演会
2024年7月
- ROIC経営について
2024年8月
- パワーハラスメント役員研修
2024年9月
- ビジネスと人権に関する役員研修
2024年11月
- DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)役員研修
2025年1月
- ストレスチェック報告会
2025年2月
- 「新しい現場力」講演会
政策保有株式
当社は中長期的な企業価値の向上および事業運営への影響等を鑑み、保有することが合理的であると判断した他社の株式を政策的に保有しています。これらの政策保有株式については、毎年、個別に保有することの経済的合理性や便益、資産としてのリスク、資本コストとの見合い等を具体的に精査し保有の適否を取締役会で検証しています。その上で継続して保有する必要がないと判断した株式については売却を進めるなど縮減を図っています。また、政策保有株式の議決権行使にあたっては議案を適切に精査した上で賛否を判断しています。なお、2024年度末において、当社が保有する上場株式は63銘柄、貸借対照表上の合計額は22,302百万円で、純資産に占める割合は7.5%となります。
内部統制
当社は「取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務ならびに当該株式会社およびその子会社からなる企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制」として内部統制システムを構築しています。なお、内部統制システムは必要に応じて見直し、取締役会において決議しています。