長期経営戦略の1st Stage「変革期」として、これまでのやり方・考え方を変革し、
計画の実現、持続的成長につなげていく。

1. 中期経営計画2026の位置づけ

「中期経営計画 2026」(2023-2026 年度)は「変革期」と位置付け、これまでのやり方や考え方を変革し、
人の力を最大限に引き出すための DX 推進やカーボンニュートラルへの対応など、新たな課題への取り組みを推進してまいります。
既存事業の需要を確実に捉えながら、将来の成長領域における機会の獲得に取り組むことで、
現在から未来への持続的な収益力の向上を目指してまいります。
また、資本の効率性をより重視した経営を行い、株主還元の充実を図ってまいります。
中期経営計画につきましては、2023年1月30日に公表後、2025年5月12日に見直し追補を公表しております。

2. 4つの基本戦略

  • 01 既存事業の収益力強化

    世の中の変化が加速する中においても、中期4年間においては、既存領域における需要は旺盛であると見込んでいます。安全・品質・技術・技能・生産性を徹底的に高めて差別化を図り、顧客ニーズを捉え、確実な案件獲得に繋げてまいります。

  • 02 海外事業拡大

    日本で培った事業のノウハウ・強みを活かして海外展開を拡大してまいります。日系企業に留まらず、現地の有力企業との取引拡大を見据え、海外ナショナル社員の育成拠点整備、物流施設の整備を進め、サービスレベルの高度化、グローバルな人材の流動化を図ることで、海外売上高比率を高めてまいります。

  • 03 グリーン機会の獲得・準備

    主要顧客においても、既にカーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでおり、将来の機会獲得に向けた積極的な顧客へのサポートや、必要な技術・人財等への先行投資を行ってまいります。再生可能エネルギー関連等の事業拡大も図り、既存事業の需要を獲得しながら、将来の事業機会獲得に備えることで、継続的な事業拡大・成長を図ってまいります。

  • 04 新規事業領域進出

    我々がこれまで培ってきた物流・操業・設備工事・メンテナンスなどの既存の強みを活かし、新たな事業領域への拡大に挑戦することで、事業の可能性を広げてまいります。

3. 基本戦略を支える機能強化と経営基盤強化

機能強化

  1. .人材強化:事業拡大に必要な人財を確保・育成し、個人の能力と組織のパフォーマンスを最大化
  2. .DX推進:現場力(人)とデジタル/先進技術を融合し、生産性向上とビジネスモデル変革を推進
  3. .パートナー連携強化:パートナーとの協調・協創による機能の補完・拡充

経営基盤強化、
リスクマネジメント

安全・品質・コンプライアンス・ガバナンス強化の継続、及び多様化する事業環境変化に対して、 中期計画を確実に進めるためのリスクマネジメントの強化を行ってまいります。

4. 各事業戦略

基本戦略に基づき、物流・機工各事業の戦略を策定し、持続的成長に向けた取り組みを推進してまいります。

物流事業

物流事業においては、2026年のあるべき姿を「顧客ロジスティクスの最適化・高度化を担うソリューション企業」と定め、2030年の長期に向けては、個別の顧客から業界全体の最適化を提供することを目指してまいります。あるべき姿の実現に向け、以下の戦略を推進してまいります。

① 既存事業の収益力改善

当社の強みである、鉄鋼・化学・電気電子業界をターゲット業界として、オペレーション部門における多重構造の見直しや、中国の市場環境に順応させた事業運営体制のスリム化等のコスト構造改革を行い、強固な収益構造の再構築に取り組んでまいります。

② デジタル化・自動化とデータ連携強化

事業拡大の最も重要な要素として、デジタル化・自動化等による顧客とのデータ連携強化を図ってまいります。基幹システムの再構築によるビッグデータの蓄積、自動化・省力化設備の積極的な導入により、顧客の最適なサプライチェーンの構築、CO2削減、生産性向上などに寄与する、ソリューション物流企業を目指してまいります。

③ パートナーとの協調・協創、不足機能の補完・拡充

国内外において効率的に事業を推進するために補完・拡充が必要な機能については、外部パートナーとの協調・協創を推進することで、目標達成を目指してまいります。

機工事業

機工事業においては、2026年のあるべき姿を「基盤事業の盤石化と成長事業への挑戦」と定義し、2030年の長期に向けては、保全・工事ノウハウを進化させ、世界の成長領域で戦えるポジションの確立を目指してまいります。あるべき姿の実現に向け、以下の戦略を推進してまいります。

① 収益基盤となる事業の深化と強化

既存の主要業界である、石油・化学・鉄鋼の分野においては、国内外において引き続き旺盛な需要があると見込んでおり、強みである動員力や技術・技能を活かし、既存領域における事業強化を図ってまいります。今後、人手不足が深刻化する中でサービスの高度化を実現するために、人材リソースや技術・技能のデータベース化、プロジェクト管理のシステム化、最新技術を用いた予防保全サービスの提供など、効率化・生産性向上に向けたDX推進を実施してまいります。

② 成長事業と新規事業への挑戦

既存事業で培ってきたノウハウと強みを活かし、国内外の中規模EPCや、再生可能エネルギーなどのグリーン関連事業、老朽化する社会インフラのメンテナンスなど、成長領域・新規領域における事業の拡大を図ってまいります。電気・計装などの補強が必要な機能は、外部のパートナーを選定し、資本提携等の手段も含めて連携することで機能強化を図ってまいります。

③ プロジェクトマネージャー・エンジニアの育成と流動化

機工事業の拡大に最も重要な要素となる、プロジェクトマネージャー・エンジニアの育成に関しては、日本・東南アジア・中東の3つの人材育成拠点、エンジニアリング拠点を整備し、グローバルに人材育成と流動化を図ってまいります。また、物流事業から創出した人材への積極的なリスキリングを行い、品質を保ちながら事業機会の拡大に努めてまいります。

5. 資本政策

中期経営計画2026においては、事業活動における安定した営業キャッシュ・フローの創出を見込んでいる一方、中期4年間において、将来の持続的成長に向けた多くの戦略投資を計画しています。財務の健全性・安定性を確保しながら、負債も積極的に活用し成長投資に充てることで資本コストの抑制を図ります。配当につきましては「配当性向40%水準」に加え、この期間において下限配当として「前年度1株当たり年間配当額」を設定し、自己株式の取得につきましては、4年間で700億円を実施することといたします。上記の資本政策を実施することで、充実した株主還元を図り、資本の効率性を重視しながら、企業価値の最大化を目指してまいります。

財務指標

  • 中期目標2026年度(見直し前)

    中期目標2026年度(見直し後)

  • ROE

    10%水準
    10%
  • ROIC

    8.0%水準
    9.0%
  • 配当性向

    40%水準
    40%水準
  • 4年間の総還元性向

    70%水準
    100%水準
  • 4年間の
    自己株取得額

    400億円
    700億円