私は当初理系学部でしたが、途中で経済への興味が大きくなったため経済学部に入り直し、大学院で会計を専攻しました。所属学科からは監査法人に就職するケースが多い中、私は「企業の中から経済・産業の動きを見たい」という思いから一般企業を志望し、特に産業の基盤となる製鉄や石油・石化業界を中心に就職活動を行いました。コンタクトをとった企業の一つが山九で、総合職を志望して面接に臨んだところ、「経理・会計知識を持つ人財を求めている」という話があり、縁を感じて入社しました。
各支店の会計の最終チェックも
現在は本社経理部で、決算資料作成や税務申告、支店の経理担当者の指導教育などに携わっています。経理という仕事は、財務関連の報告・申告を適正に行い、経営層の意思決定に役立てる情報を提供するなど、お金の面で会社を代表する仕事。社内の各部門の会計処理がルールから逸脱しないよう目を配る役割も担っており、「企業の最後の砦」とも言われます。山九の場合は、各支店の会計処理入力を事業所の事務部門で行うことが多く、私たちの最終チェックの役割が特に重要。一つひとつの判断には会計基準や法律、社内規程に基づいたしっかりとした根拠を持ち、各部門の担当者が理解できる形で伝える必要があります。現在の部署は全社的な経営に関わる情報を扱うので責任やプレッシャーが大きいですが、経営を身近に感じられる魅力もあります。
起こりうる問題を未然に回避する
経理部門に配属されて間もなく、社内監査の一環で、現場の業務フローに関わる資料の改善に携わりました。このような改善作業は、現場の人々にとっては業務と直接の関係が薄いため、必要性をしっかり理解してもらう必要があります。当時は私も知識が十分ではなかったため、改めて趣旨を調べた上で、「これらの書類を改善すれば、生産性の向上につながる」などていねいに説明。実際とズレがある記載項目や複雑なフォーマットの改善を共に検討し、サポートを行いました。無事に監査部門へ改善報告を提出した時、現場のマネージャーから「助かった。ありがとう」と声をかけられ、苦労が報われたと感じました。こうした見えない部分の改善が、将来起こりうる問題の回避につながることもあり、「砦」としての自負を感じています。

子育てにもしっかり関わりたい
現在5歳と2歳の息子がおり、休日はもっぱら子供と遊んで過ごしています。長男は深海魚や古生物が好きで、図書館で本を借りたり水族館に連れて行って一緒に勉強しています。私も知らない生き物の名前をすらすら言うのでいつも驚かされています。一方次男は、家族の口ぐせをまねたりアニメのうたを歌って踊ったり、みんなを笑わせるわが家のムードメーカーです。彼らの成長にしっかり関わりたいので、家庭での時間も大切にするよう努めています。